〈花様年華〉 2022/07/18 ジミン

僕はコンビニの近所をぶらつき時間をつぶした。ソンジュ第一中学校の裏側。こっちの塀を越えてこっそり学校を抜け出ることもしたし、コンビニの向こう側の小さな公園でヒョンたちを待ったりもした。周りを見渡した。久しぶりに訪れたこの町はそれほど変わったところがなかった。ユンギヒョンとジョングクの家がこの近所だと言ったことも浮かんだ。きょろきょろと見回すと、右側の路地の奥の方にグラフィティのようなものが見えた。テヒョンが描いておいたようだった。そちらに足を運んだ。　

絵の前で無意識に立ち止まった。擦れた黒色の線で書きなぐるように描いたそれは、温もりというものがない誰かの顔だった。誰かだと言ったが、僕は知っていた。その顔の持ち主を。ソクジンヒョンだった。ヒョンを思い浮かべる瞬間、また別の人の顔が重なった。問い詰めてみても一つも似ていない顔だった。それなのにその二人の顔が同じように見えた。二人は同じ目を持っていた。魂が入ってない目。そのときようやく分かった気がした。僕が誰を探すべきなのか。

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