Your Sweet Night

主に防弾少年団と韓国語の勉強。(ときどき他ドルも)

〈花様年華〉2022/04/30 テヒョン


驚いてしばらく動けなかった。少し離れた所の車の中でソクジンヒョンが座っていた。ヒョンが帰って来たのはナムジュンヒョンから聞いていたが、直接顔を見るのは初めてだった。ヒョンは携帯電話で何かを探して顔をしかめた。それ自体には何もおかしなことはなかった。顔のどの部分も以前とそんなに変わったところはなかった。僕が衝撃を受けた理由は、僕自信もうまく説明が出来なかった。冷たい。乾いた。空しい。そのどんな単語もヒョンの顔を表すのには不十分だった。いや、少しも近くなかった。春だったのに突然寒気がした。自分も知らないうちに体を震わせていた。ヒョンはまさに僕が夢で見た顔をしていた。


顔を背けたのはジョングクが曲がり角を回り現れたからだった。ジョングクは差し迫った顔できょろきょろ見回しながら、路地を横切ろうと走って行ってしまった。そのとき、ソクジンヒョンが苛立った仕草で車のドアを開け出てきた。遠くて正確に聞こえなかったが、口の動きから見て、面倒なことになったと呟いてるようだった。ソクジンヒョンは少し古くなったモーテルの方に近寄り、入口に何かを落として置いてはジョングクか走って行った方向を一度見つめた。


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