〈花様年華〉 2022/08/12 ジミン

震えている幼い僕を抱き寄せた。湿った体と早く脈打つ心臓が感じられた。僕はどもりながら言った。少しだけ待っててね。君がもっと大きくなれば、良い友達に出会うから。友達と一緒なら、君はもっと善い人になるよ。その頃ならよくなってるよ。だから少しだけ、もう少しだけ頑張るんだよ。僕は言葉を終え、僕をもっとしっかり抱き締めてやった。涙が出た。眠れなくてそのまま泣いた。

どれだけの時間が過ぎただろうか。目を開けると幼い僕は消えて居なくなった。席から立ち上がり、目元を拭いながら空を見上げた。真っ昼間の空は雲一つなく晴れて、周囲は静かだった。少し離れたところに草花樹木園の出口が見えた。雨の跡はどこにもなかった。

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