Your Sweet Night

主に防弾少年団と韓国語の勉強。(ときどき他ドルも)

〈花様年華〉2022/07/24 ジミン


コンテナの近くに到着したのは約束の時間の少し前だった。ジョングクの退院を祝う会だが、単にそれだけではなかった。ソクジンヒョンに話があった。ヒョンにとって重要なことだと思ったが、同時にヒョンが好きではなさそうな気もした。僕はコンテナに入る代わりに、線路に沿ってもう少し歩いた。列車が通り過ぎながら風が激しく吹いた。プラットホームが人でいっぱいだったのが、またがらんと空いた。その間に約束した時刻が過ぎてしまった。振り返り息を深く吸い込んだ。


コンテナには誰も居なかった。夏の日差しで熱くなった空気だけが、待っていたかのように押し出されて来るだけだった。約束の時間より10分遅れて僕が1番に到着した人だった。みんな何をしているのか。急に何か事情が出来たのか。来るには来ているのか。扇風機をつけてコンテナの中を見て回った。久しぶりに訪れたナムジュンヒョンのコンテナはパーティという言葉には似合わずひっそりと寂しく、静かだった。机の引き出しから紙を探してボールペンで、「ジ ョ ン グ ク 退 院 お め で と う」と一文字一文字大きく小さいコンテナの壁に貼り付けた。それだけではみすぼらしさが無くなる気はしなかったが、何もしないよりはマシだった。


チャットルームを通じてみんなが来ているのを確認する間に十数分が流れた。開けておいたドアの外で列車が通り過ぎてコンテナが揺れた。がたがた揺れる世界を眺めながら、病院のドアを開けて飛び出したときを思い出した。ヒョンたち、テヒョンとジョングクがいなかったら僕はあのドアを開けて出て来られただろうか。ドアがそこにありそのドアが開いているからと、みんなが出て来れるわけではない。もしかしたらソクジンヒョンもそうやってどこかに閉じ込められているのではないか。ドアを破ってくれる誰かを待っているのではないか。確かなことは何もなかった。本当に助けになるかも分からなかった。しかし、僕たちが手探りして探し出したカケラたちが小さなヒントにでもなるなら。考えがそこまで行き着いたとき、コンテナのドアがグイっと開いた。そうしたあと、ユンギヒョンが立ち入った。



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