Your Sweet Night

主に防弾少年団と韓国語の勉強。(ときどき他ドルも)

〈花様年華〉2021/08/09 ソクジン

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海に沿って降りながら写真を撮った。海岸沿いの町の姿は絶え間なく変わるが、海はどこでも同じだ。自動車から浜辺へ降りた。白浜に座りファインダーでこれまで撮った写真を見た。撮った場所も撮った時間も違うけれど、すべての写真が同じだった。空と海が真ん中で触れあっていた。


逃げるようにソンジュを離れLAに来てから一年が過ぎた。幼少期を過ごした母の実家は不慣れでも楽でもなかった。感情を隠して自分が居場所を探し出したあと、少しぎこちないような笑顔を作っていること。父を通じて得たいい人になる方法。それは大抵の場合は流用できて、今回も同様だった。


この場所に来たあと、人を撮らなかった。特別な理由はなかった。ただそうしたかった。代わりに海を撮った。変わらないものを撮りたかったのかもしれない。振り返って見れば、笑えることがある。その友人たちが変わったのではなかった。僕が変わったのでもなかった。僕は元々こんな人で、それを隠していたのがばれただけのことだった。高校生のとき撮った写真は一つも持って来なかった。その頃の僕は今まで生きてきた僕と違った。感情を隠すこともなく、自分の居場所を探さなければいけない理由もなかった。ぎこちない笑顔はそのままだったが違うものがあった。その頃の僕は心から笑っていた。


カメラを持って海を撮った。曇った天気のせいで海も空も似た色だった。触れあう水平線もぼやけていた。海を撮った数多くの写真の中で同じものは一枚もなかった。天気が違い、光が違い、風が違った。僕の視線が違って、心が違った。今日撮った写真も同じだった。高校生の頃撮ったたくさんの写真も同じだった。写真。そこには撮る人の視線と心が込められる。恐らくそれが僕があの頃の写真を一つも持って来れなかった理由だ。あの頃の僕に真っ直ぐ向き合うことが怖かった。あの頃の僕が懐かしくなりそうで怖かった。みんなはどう過ごしているのか、僕に対してどう思っているのか。そんなことを考えそうで、僕はその友人たちの写真を本棚へ入れ、蓋を閉めてしまった。




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